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2017.11.17

国際展開の今とこれから

海外事業のこれからの展開に関して

国際事業の本格的な推進に乗り出したパシフィックコンサルタンツ。これまでのODA(政府開発援助)事業に加えて、海外企業との協力関係をバネに、市場を全世界に広げる。

「Overseas」から「International」へ

代表取締役会長 長谷川 伸一

世界に展開する国際企業で、自社の市場を内外に分けて考えるのは日本だけです。アジアが夜になり休みに入ると、南北アメリカは活動をはじめ、南北アメリカが休みに入ると、今度は欧州・アフリカが活動をはじめる。グローバルビジネスは24時間休みなしに動いています。

 これからの日本企業は、日本から世界へ向けて一方的に発信する「Overseas(海外)」という発想ではなく、世界の複数の拠点から世界に向けて発信・活動する、真の意味での「International(国際)」企業にならなければならない─というのが以前からの私の持論であり、いよいよこれを実践するときがやってきたのです。

 いまパシフィックコンサルタン ツの世界挑戦の最前線にいるのが国際事業本部です。市場を日本・アジア、欧州・アフリカ、南北アメリカに分割し、それぞれに拠点を置いて、この複数の拠点から発信しようとしています。

 国際社会の中でプレゼンスを発揮するためには、海外の有力パートナーと提携を結ぶことも重要で、すでにタイ、インドネシア、韓国、中国などの企業と連携しており、欧州・アフリカ市場や、南北アメリカ市場への展開を見据えたネットワークの構築を進めています。2016年8月にはアジア統括子会社として、PCKK International Asia Pte. Ltd.をシンガポールに設立しました。

 国際事業本部は、今後2年以内に国際事業会社として独立させ、国内と国際をビジネスの両輪として、この分野での世界トップ50企業に仲間入りをするというのが、当面の目標になります。

 これを達成するためには、組織と人材の両面での革新が求められます。
国籍、言語、文化、宗教、習慣の異なる人材で構成された、ダイバーシティ&インクルージョンの組織が今ほど求められている時はありません。また、これまでのようにODAだけに依存するビジネスでは世界市場で闘っていけないことも明白です。プロジェクトマネジメントや契約・入札方法における世界標準を理解したフロントオフィスと、国際レベルのガバナンスとコンプライアンスを担保するバックオフィスの二つが不可欠です。  弊社で仕事をする人たちは、世界で挑戦したいと考えている人がほとんどだと思います。その希望を最善の形で実現するのが私の役目であり、経営者としての責任であると考えています。

国際事業本部 取締役本部長 渡邊 眞道

パシフィックコンサルタンツの国際ビジネスを最前線で担うのが国際事業本部です。これまでパシフィックコンサルタンツの国際事業といえば、ODAの請負業務が中心でしたが、今後は海外政府機関や民間企業との直接取引の割合を増やしていきたいと考えています。その布石は着実に打たれており、全大陸に渡る事業展開(P・10〜11の世界地図参照)のほか、アジア、欧米の海外コンサルタントとの協力関係が生まれています。

 こうしたグローバルな連携を通して、アジア企業のコスト競争力、欧米型のビジネスノウハウ、最後までやりきる日本企業の信用力を組み合わせることができ、それが広範囲に世界で事業を展開するための原動力となるのは間違いありません。現在、20億円規模の国際ビジネスを、2030年には250億円規模まで拡大したいと考えています。

 世界の大手建設コンサルタントの仕事は、発注者になりかわって、調査・設計・施工・運用にいたるまでプロジェクトの全体を担うプロジェクト・マネジメント(PM)型が一般的です。コンサルタント自身が資金を集め、仕事を組み立て、リスクも抱える。Parsons Corporationなど、PMノウハウに長けた国際企業がいくつもあります。しかしながら、これまでの日本企業の多くは調査・設計の一部しか担ってこなかったのが現実です。

 その構造をまず変える必要があります。幸い日本企業の海外投資への意欲は旺盛です。当面はそのパートナーとしてアジア、欧州、アフリカの市場を深掘りしていきます。

 具体的な事業分野としては、まず、都市の交通・運輸や地域の防災が挙げられます。さらに再生可能エネルギー振興、天然ガス受け入れの港湾施設建設など、エネルギー周辺事業も視野に入れています。

 防災関連の事業に関しては、現在、世界各国で異常気象が頻発していることから、その対策が最重要課題として浮上しています。また、都市化に伴う環境問題も全世界で深刻化しています。最近もナイロビで開かれたアフリカ開発会議に参加し、日本からの支援を切に求める現地のナマの声を聞いてきました。これらの課題解決のために、日本社会がこれまで培った環境負荷を減らす技術や、天災・人災からの復興ノウハウを世界に活かすことが求められています。

 私自身は、もともとは農業開発分野の海外支援を行う企業で12年間にわたりコンサルタントをしていました。パシフィックコンサルタンツ入社後はもっぱら国内河川事業に従事していましたが、国際事業本部の設立に伴って本部長に就任しました。国際事業への情熱が私の心のうちで再び甦りました。

 かつてはパシフィックコンサルタンツグループも国際事業に特化した企業をもち、世界でも有数の実績を残していました。そのよきDNAは社内にまだ生き続けています。それを活かしつつ内部統制のバランスを図りながら、世界標準に則った事業主体へ、組織と人の力を高めていくことが大切です。

PCKK International Asia Pte. Ltd.2016年8月、シンガポールにパシフィックコンサルタンツの100%子会社として設立。アジア統括子会社として、今後の国際展開の中核を担う。

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