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事業内容/実績宮城県南三陸町復興プロジェクト「中橋」の設計
発注者 | 宮城県南三陸町 |
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業務期間 | 2014年8月~2015年9月 |
東日本大震災の犠牲となられた方々への鎮魂の場として整備された復興祈念公園にアクセスする橋梁、それがこの「中橋」です。橋長80.6m、鋼管を用いた単純レンズトラス形式のこの橋は、X字の平面形状にダブルデッキ構造を採用した立体的な造形となっています。
立体解析によって極限まで各部材の最小化を図り、緩やかな曲線を描く伸びやかな弦材と直線基調の部材がクロスする幾何学的な印象を持つ斜材のバランスが、この橋の繊細かつダイナミックな美しさを醸し出しています。また、床版や高欄支柱を兼用したWood Gateには地元産の杉材を用いていて、橋を利用する人に柔らかな印象を与えています。
その反面、総部材数は2000を超え、それぞれの接合角度が一つ一つ異なる難易度の高い構造モデルであったことから、その構造が成立するまでには、部材の条件を何度も何度も入れ替えながら解析を繰り返す必要がありました。さらに、実際の部材製作段階においても、発注者、施工者とコンサルタントが一丸となって、この橋を実現させるための議論を何度も重ねました。このような地道な作業と創意工夫を積み重ねが、最終的にこの橋の美しさを導き出していると思います。
この橋がいつまでも南三陸町の人々に愛される橋となることを祈ります。
※本橋の設計は、隈研吾建築都市事務所とのJVによって実施しました。