2021

高松空港特定運営事業等(空港コンセッション)

高松空港特定運営事業等(空港コンセッション)

-アジア・世界とつながる四国瀬戸内No.1の国際空港-を目指して

地域の活性化に貢献する事業パートナーを目指して

利用料金を徴収する公共施設において、施設の所有権を公共が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定するコンセッション方式。国内インフラの民営化手法の一つで、今後の広がりが見込まれています。
パシフィックコンサルタンツは、航空業界、交通、まちづくりに関する様々な知見、ノウハウを長年にわたって蓄積してきました。

「空港コンセッション事業に参画することが、当社の事業領域の拡大につながるとともに、地域活性化を担う一事業者として社会に貢献できるのではないか。」

そんな中、2016年、仙台空港に続き、国管理空港で2番目となる高松空港コンセッション事業の参入チャンスが到来しました。三菱地所株式会社を代表企業とするコンソーシアムに当社も参画し、2017年に優先交渉権を獲得。2018年4月、コンソーシアムによる事業運営を開始しました。

国内外のインフラに関するコンサルティングノウハウをフル活用して

公募提案では、パシフィックコンサルタンツが保有する、国内外の空港の計画策定、設計に加え、交通や観光分野等におけるコンサルティング、さらにはPPP事業等における経験やノウハウをフル活用し、事業性検討から提案書作成まで、幅広い観点で支援を行いました。
さらに、運営開始にあたっての空港運営立ち上げ支援、運営開始後の国業務の引継ぎ支援や体制づくりなど、数々の空港に関するコンサルティングを担ってきた当社ならではの総合力を活かし、安全・安心な空港運営に必要な各種支援を行ってきました。
今日では、現在就航している国際線4路線に加え、新規路線誘致のためのプロモーション活動や観光コンテンツの開発、さらには開業当初問題となっていた駐車場混雑対策、リムジンバスの新規路線設置などの空港アクセス向上のための施策の実行を、地元自治体や関係企業等との協働により推進しています。
空港運営は、最短でも15年、最大で50年関わり続ける事業。だからこそ、中長期的な視点を持ち、地域の一員として、これからも空港内外から推進、支援していきます。

ウィズコロナ、アフターコロナ時代も成長し続けられる空港であるために

空港はあくまでも地域の玄関口の一つであり、主たる目的地にはなり得ません。これまで通り、安全・安心で魅力的な空港運営を実行していくことも重要ですが、同時に空港周辺の目的地となる拠点、及び周辺エリアも含めた活性化、魅力アップを両輪で進めることも、重要な視点となることは言うまでもありません。長年、地域活性化やまちづくりのコンサルティングに関わってきたパシフィックコンサルタンツは、その点で、非常に重要な役割を担っていると考えています。
一方で、2020年以降、世界規模で新型コロナウイルスの感染が広がり、空港運営にも大きな影響が出ています。今後、ウィズコロナ、アフターコロナ時代も成長し続けられる空港となっていくためには、感染症対策など、安全面でのサービス提供はもちろんのこと、魅力ある香川・高松、瀬戸内エリアとして時代とともにその魅力を成長、発展、進化させていくことが非常に重要となります。
提案時に掲げた「アジア・世界とつながる四国瀬戸内No.1の国際空港」の実現を目指して、これからも地域の様々な主体と協力し、空港及びその周辺地域の発展に向けた取り組みを着実に実行していきます。

プラス1

【社内のアイデアが実際の観光商品化に】
  • 2021年4月、香川県内のバス事業者であり、高松空港発着のリムジンバスも運行している琴平バス株式会社が、年齢・自転車スキルレベルを問わないサイクリングツアー、「瀬戸内・三豊グランクリングツアー」の販売を開始しました。
  • このサイクリングツアーは、当社が企画し、琴平バスをはじめ、空港会社、地元行政、地元民間企業と連携して作成したサイクリングツアーです。
  • 実は、この企画、3年前の高松空港民営化開始直後に、開催した社内の若手社員によるビジネスモデル勉強会の際のアイデアから生まれたものです。
  • 当時は事業計画の作成に留まり、事業化には至っていなかったものの、その後、高松空港の旅客増に向け、観光関係事業者と協議をする中で、改めてそのアイデアが着目されることになりました。このアイデアを基に、インバウンド向けの(*)FAMトリップツアーを複数回開催するなど磨き上げを行い、地元関係者との連携によって、実際の商品販売までこぎつけることができました。
  • 本商品の内容は、弊社が運営するサイクリングポータルサイト「TABIRIN」の記事として取り上げています。

(*)FAMトリップ(ファムトリップ)とは観光地の誘致促進のため、ターゲットとする旅行事業者やブロガー、メディアなどに現地を視察してもらうツアーのことを言います。