2019

パキスタン国 橋梁維持管理プロジェクト

パキスタン国 橋梁維持管理プロジェクト

橋梁維持管理技術で未来を動かせ!
~日本とパキスタンとの懸け橋に~

国内での経験と知識を礎にパキスタンへ!

パキスタンの国道上の約5,000の橋梁、約16,000のカルバートは、交通量の増加、過積載の横行、設計・施工不良等に起因する早期劣化・損傷が生じていました。しかし、適切な橋梁維持管理が施されないため、橋梁の損傷が発覚した際には致命的な損傷を受けており、寿命に達していないにもかかわらず、新たな橋梁を架け替えざるを得ない状況となっていました。そのため、国内での経験と知識を礎に適切な橋梁維持管理に関する技術移転が急務となっていました。

橋梁点検結果に基づく年度毎の橋梁維持管理費の把握

橋梁点検に基づいた維持管理計画が策定されないために、橋梁補修予算の要求が出来ず、結果として橋梁点検が実施できないという悪循環を断ち切るため、データベースを中核として点検計画→橋梁点検→点検結果評価→維持管理計画→橋梁補修の「橋梁維持管理サイクル」について啓蒙し、橋梁維持管理サイクルを継続的に回すための技術協力を実施しました。

橋梁維持管理サイクルの実現に向けて

パキスタン全国の国道に関し、職員により入力された橋梁データベースの活用を実施、技術移転を進め、主に以下の二点に焦点を当てました。
(1) 橋梁の点検や補修工法の検討に必要なマニュアル、データベース類の整備。
(2) 橋梁点検、補修工法の検討に関する指導者の育成と橋梁点検、補修工法の検討の標準化。
カウンターパートである国道公団NHA(National Highway Authority)は、組合問題により10年以上職員を採用しておらず、技術職員は定数の1/3程度しか在籍していない状況でしたが、NHAと粘り強く協議して4名の技術者から構成される橋梁管理ユニット(Bridge Management Unit: BMU)を組織して橋梁維持管理の牽引役としました。また、職員不足対策として有期契約で12名の橋梁点検員を雇用してもらい、モデルエリアでのインベントリー調査、代表的橋梁の橋梁点検、データベース入力、データ分析、年間維持管理計画策定、短・中・長期計画の作成ができるよう技術協力を実施しました。これらの業務分掌(案)を提案するなどの側方支援が功を奏しました。

プラス1

2016年8月当時は、海外業務の実績や経験が殆ど蓄積されていない状況の中、当社の技術ポテンシャルを武器にPCKK単独で受注競争を競り勝ち、海外案件初受注(3年契約、契約金額2億円超の技術移転業務)を果たしました。この受注は社内外に大きな反響を呼び、その後のPCKKの海外展開に多大な影響を与えると同時に当社社員を大いに鼓舞するものであり、現在の『グローバルカンパニーの挑戦』へと、そのDNAが受け継がれるものとなりました。