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事業内容/実績自営線の敷設による地産地消の分散型エネルギーシステムの普及に向けた調査・検討

自営線の敷設による地産地消の分散型エネルギーシステムの普及に向けた調査・検討
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発注者 環境省
業務期間 2021年 6月 ~ 2022年 3月

近年、我が国では豪雨や台風による風水害が激甚化しており、地域の防災性向上が課題となっています。また、世界的な潮流として日本を含めた多くの国が2050年までのカーボンニュートラルを表明しており、再生可能エネルギー(以下、再エネといいます。)が期待されています。
しかしながら、太陽光や風力に代表される再エネ由来の電気はコントロールが難しいため、電力系統への接続に制約のある地域では、再エネポテンシャルが十分に生かせないことが問題となっています。
自営線の敷設による地産地消の分散型エネルギーシステム1は、平時には再エネを地産地消し、災害時には非常用電源として活用することが可能であり、再エネポテンシャルが豊富で電力系統への接続に制約のある地域や、防災拠点エリアでの活用が期待されています。

弊社は、環境省委託業務2として自営線の敷設による地産地消の分散型エネルギーシステムについて、①普及戦略の検討②定量分析モデルの開発等を実施しました。

1再エネ発電所と近隣の施設(又は施設群)を、事業者が自ら敷設した電力用の電線(自営線)で連結して、蓄電池も活用しながら再エネ由来電気等をエリア内で有効利用するシステム。
2本稿は、環境省委託業務「令和3年度地域再エネを活用した地産地消の分散型エネルギーシステムの構築支援に係る調査検討委託業務」の成果を基に作成している。

普及戦略の検討

再エネのポテンシャルやエネルギー需要施設の特性は地域によって異なることから、地域の特性を踏まえて普及を推進していくことが重要となります。そのため、普及戦略の検討において、地方都市・中山間地の特性や課題を踏まえて2050年のカーボンニュートラルに向けて目指すべき姿を検討した上で、実現のために国や地域が段階的に取り組んでいく必要のある事項を検討し、ロードマップとしてとりまとめました。

また、今後は電力系統の増強に伴い、既存系統を活用した自己託送や配電事業などの事業形態が増えてくることが想定されます。こうした状況を踏まえ、将来像として、様々な事業形態の分散型エネルギーシステムがネットワーク化され、系統全体におけるエネルギー需給調整役として機能する姿を検討しました。


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目指すべき姿のイメージ(中山間地の例)

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ロードマップのイメージ(中山間地の例)

②定量分析モデルの開発

自立・分散エネルギーシステムを活用した事業の構築を進めていく上で、期待される概略の効果(環境面:脱炭素化、経済面:地域経済活性化、技術実装、社会面:レジリエンス等)を簡易的に定量化し、事業者の参考となる情報を提供することを目的として、定量分析モデルの開発を行いました。

開発したモデルを用いることで、複数の電力需要施設、太陽光発電や小水力発電、風力発電といった再エネ電源や、蓄電池や蓄熱槽といった蓄エネ設備、コージェネレーションシステムやバイオマスボイラ、ヒートポンプを含んだ熱供給システム等の値を設定するだけで、1年間365日の30分ごとのエネルギー需給計算が行われ、CO2排出削減効果、光熱費削減効果、再エネ自給率、災害時のエネルギー自立度等の概略の効果を定量化することができます。

今後、このモデルは、事業による概略の効果の把握だけでなく、自立・分散エネルギーシステムを構成する要素の技術開発の方向性確認・検討や、事業継続性が高い有望なシステム構成パターンの普及啓発等への活用も期待されます。


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自立・分散エネルギーシステムを活用した事業構築の進め方と定量分析モデルの活用イメージ

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開発した定量分析モデルのインターフェイス画面

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本稿は、環境省委託業務「令和3年度地域再エネを活用した地産地消の分散型エネルギーシステムの構築支援に係る調査検討委託業務」の成果を基に作成しています。