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事業内容/実績大和市市民交流拠点 ポラリス
発注者 | 神奈川県大和市 |
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業務期間 | 2016年~2018年 |
中央林間をはじめとする「林間」と名のつく小田急江ノ島線の3駅周辺の地域は、かつての雑木林を開発した住宅地が広がっており、現在でも当時の面影の残る緑豊かな環境となっています。
「大和市市民交流拠点 ポラリス」は大和市北部の市民の交流拠点として、中央林間駅徒歩3分程度の小田急線の線路沿いの「市営緑野住宅」跡地に建設されました。計画地は市営住宅取り壊し後、暫定的に自転車置き場やフリーマーケットなどに利用されてきており、隣接する「緑野青空子ども広場」と共に、地域の住民や子どもたちの集いや憩いの場となっていました。
大和市では、2016年に図書館を中心とした複合施設「大和市文化創造拠点 シリウス」がオープンし、1年間で300万人を超える利用者を集め、全国から大きな注目を浴びています。
従来の公共施設では機能や用途ごとに建設された「ハコ」に対し、特定の目的を持った利用者が集まるというのが一般的でしたが、大和市では、まず市民が集まる場をつくり、利用者が思い思いに時間を過ごし、活動するメニューを提供するという視点で公共施設を整備しています。今回の「ポラリス」も、主に市内北部の市民や子どもたちが集い、気軽に利用できる、日常的な「居場所」として計画されました。
施設1階は、線路側の大きなガラス面に設けられたカウンターを含む市民交流スペースや会議室、多目的室のほか、未就学児などの子育て支援を目的としたプレイルームや親子交流サロンが配置されています。2階にはアリーナと更衣室などが配置され、バスケットボールや卓球など地域の市民による日常的な利用を想定した施設となっています。また、屋外には「星の子ひろば」と名づけられた児童向けの公園が整備され、建物の内外と一体的に連続した利用を可能としています。
計画地は小田急線に隣接していることから車窓からの見え方については特に意識しました。また屋内外の施設利用の様子を外部に伝えることで、「何だろう?」と興味をひくことを目指しました。このため、施設の設計にあたっては、人目をひく「インパクト」のあるデザインを心掛け、線路側外壁はカーテンウォールの全面ガラスを採用しました。また、南面とともに夜間はライトアップして、地域の景観に浮かび上がるシンボリックな施設となっています。カーテンウォールのマリオンや大屋根などには木質系の意匠を採用し、色彩としては白、ガラス、木の3要素に限定したシンプルな構成としています。内部の床や家具などにも木材を多用し、全体として「林間」のイメージを継承した施設デザインとしています。
大和市市民交流拠点 ポラリスは、市民交流の拠点として大和市北部に建設されました。1階に交流スペース、2階にアリーナを設け、誰もが利用可能な「居場所」を設計しました。また計画地は線路に隣接しているため、車窓からの見え方も意識しました。線路側外壁は全面ガラスのカーテンウォールを採用し、夜間にはライトアップを行い、昼夜で異なる外観としています。