自然を活かし、時間の流れを大事にした学舎

砧中学校は、国分寺崖線の豊かな自然と敷地内の古墳群をはじめとする歴史が息づく環境に位置する、閑静な住宅街に建つ中学校です。本改築校舎は、普通教室６室、職員室や校長室等の管理諸室、給食室などで構成されており、既存北西校舎や既存南校舎とつながる２階の中心に多目的スペース、３階の屋上庭園に面する場所には、1学年の生徒が入ることができる空間をもつ多目的ルームを設置しています。

「自然を活かし、時間の流れを大事にした学舎」を設計コンセプトに掲げ、安全でわかりやすく特色ある教育に配慮した施設計画とし、自然環境への配慮、ライフサイクルコストの縮減対策を設計に盛り込みました。屋上に太陽光パネルを設け自然エネルギーの有効活用を行うと共に、屋上緑化を行うことで、建物の断熱性能の向上を図りました。また、普通教室等空調を行う部屋にはついては、複層ガラスを採用し、空調負荷の低減をすると共に、ライトシェルフを設け教室内部まで採光を取り入れることで、照明負荷の低減に配慮しています。

外観は、北側部分・南側部分・中心部分の３ブロックで外装材や開口などの設えに変化をもたせたデザインとし、自然が多い周辺環境に配慮し暖色系の色彩としています。また、校門からのメインアプローチ部分に象徴的なＲ形状のコンクリート打放し仕上げの壁や、給食室北側の木ルーバー、屋上トップライトなどを随所に配し、アクセントをつけています。内観は、普通教室や多目的ルームの壁や床に木仕上げ材を採用し、温かみのある空間になるように配慮しています。また、車いす対応エレベーターや階段、多目的スペースの壁などにユニバーサルデザインの考えを取り入れ、一目でわかるようにアクセントカラーを採用しています。