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事業内容/実績グリーンインフラ ~自然環境の機能を活用した持続的な地域づくり~
グリーンインフラとは
「グリーンインフラ」とは、自然が有する多様な機能や仕組みを活用したインフラストラクチャーや土地利用計画を指し、我が国が抱える社会的課題を解決し、持続的な地域を創出する取組みとして期待されています。
国土形成計画(H27.8,閣議決定)や社会資本整備重点計画(H27.9,閣議決定)をはじめ、森林・林業基本計画(H28.5,林野庁)や国土強靭化アクションプラン2017(H29.6,国土強靭化推進本部)においてもグリーンインフラの必要性が示され、人口減少に伴う未利用地の増加やインフラ老朽化などの社会的課題を解決し、持続的で豊かな地域を創出する取組みであるといえます。
グリーンインフラの構成要素
森林をはじめ、河川や農地、緑地、海岸などグリーンインフラの構成要素は非常に幅広く、それらの多面的な機能を上手く活用する取組みが進められています。
グリーンインフラの目指す姿とパシフィックコンサルタンツの関わり
グリーンインフラによって我が国が抱える社会的課題を解決するためには、各分野において自然の機能や仕組みを活用した取組みを進めるとともに、より地域への波及効果を大きくするために、分野横断的な取組みを進めることが求められています。
当社は、都市計画・河川・砂防・海岸・港湾・道路・環境・エネルギー・情報システムなど、様々な分野で培った専門技術・専門知識に基づくトータル・ソリューション・サービスを提供し、持続的で豊かな未来の創造を支援します。
中山間地域の森林域における防災と環境保全(「永平寺の森プロジェクト」への参加)
永平寺伽藍(福井県永平寺町)には、背後の森林から沢水が流れ込んでおり、水路を整備することによって沢水の利用と降雨時の排水に対応しています。過去には、小規模な斜面崩壊も発生しており、伽藍付近まで土砂が流れ込んだこともありました。平成16年の福井豪雨の時には、永平寺南側の尾根向こうにある足羽川流域で甚大な豪雨災害が発生しましたが、永平寺のある永平寺川流域の降水量は足羽川流域よりも少なく、災害は発生しませんでした。こうした背景も加わり、永平寺の伽藍と伽藍周辺の自然環境の状況を把握し、土砂災害の危険性などを解析する「大本山永平寺の森環境調査・解析業務」を行いました。
現在も本プロジェクトは進行中です。
高知県四万十町における木質バイオマス利活用検討
林野庁‐環境省連携事業を活用し、町内で展開される大規模園芸や養鰻場に対する間伐材等の未利用材を活用した木質バイオマスエネルギー供給について、計画検討・実証試験を行っています。本検討は、低炭素化以外にも一次産業活性化、生物多様性向上、防災強化等の効果が期待できるため、弊社全体で様々な展開に繋げていきます。
印旛沼流域水循環健全化プロジェクト
下水道の整備など汚濁の発生源にのみ焦点をあてていた従来の対策と異なり、雨水の地下浸透や地下水、水の再利用などを含めた"水循環"の視点から問題を捉えようという試みです。水質改善だけではなく、水辺の環境や生態系、治水や利水などのバランスがとれた「健全な水循環」の実現を目指して、「流域マネジメント」ともいうべき観点からの取組みです。
川の付け替えにより廃川となった草津川跡地を都市公園へ
天井川として有名だった草津川跡地のうち、優先整備区域の公園設計、道路設計、構造設計および草津川跡地の管理活用手法の構築に向けて、コミュニティデザイン、エリアマネジメントの具体を検討したものです。
本公園は、ガーデンミュージアムというトータルコンセプトをもとに、各種デザインを展開しています。
旧河川敷の公園ですが、センターの遊歩道は緊急車両も通れるように道路設計の技術が随所にちりばめられています。
堤防上の遊歩道。既存道路や構造物との関係に配慮しています。
周辺市街地と旧河川敷をつなぐ大階段、エレベーター、堤防上の遊歩道をつなぐ歩道橋。
旧堤防の下をくりぬいた通路。市街地から旧河川敷への避難路ともなります。デザイン上、ボックスカルバートそのものにサイン性を持たせています。