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2025 11.20
プレスリリース

危険斜面を自動抽出するAI解析モデルを開発 ~統合物性モデル技術研究組合 2025年度研究発表会にて発表しました~

パシフィックコンサルタンツ株式会社(住所:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:大本 修)は、激甚化・頻発化が進む豪雨災害による斜面崩壊の危険性を予測するため、DEM(数値標高モデル)とAIを用いて危険斜面を自動抽出する技術を開発しました。本技術について、統合物性モデル技術研究組合が主催する2025年度研究発表会(2025年11月19日)にて発表しました。

■開発の背景と目的
近年の気候変動の影響により豪雨災害が増加し、線状降水帯による集中豪雨も頻発しています。その結果、土砂災害の発生件数は増加傾向にあり、住民の安全な生活や企業活動の継続を確保するためには、国や自治体のみならず、民間企業においても斜面崩壊のリスクを早期に把握し、迅速な対策を講じることが求められています。しかし、従来の目視による判読手法では、時間と労力がかかり、刻一刻と高まる災害リスクに十分対応できないという課題がありました。

そこで当社は、長年にわたり蓄積してきた斜面崩壊予測のノウハウに基づいてAI解析モデルを構築しました。地形データを解析し、崩壊の危険性が高い斜面を自動で抽出することで、より迅速かつ広域にわたる災害リスク評価を可能にしました。

■概要
本技術は、従来、専門技術者がGIS(地理情報システム)で作成した図面をもとに目視で判読し、表層崩壊の危険性が高い斜面を抽出していた手法を、DEM(数値標高モデル)とAIを用いて危険斜面を自動抽出できるようモデル化したものです。2017年(平成29年)7月に発生した九州北部豪雨(福岡県朝倉市周辺域)に適用し、実際に発生した斜面崩壊とAI解析モデルによる予測結果を比較することで、AI解析モデルの適用性や課題、今後の展望を検討しました。その結果、事前防災計画や防災施設導入の判断のために崩壊危険度をスクリーニングする情報として十分に活用できると評価しました。

AI解析による崩壊判定結果(青枠)と実際の崩壊箇所(赤ポイント)の対応を示した図

AI解析による崩壊判定結果(青枠)と実際の崩壊箇所(赤ポイント)の対応を示した図

■今後の展望
今後は、本技術を活用し、日本全国の斜面崩壊リスクを評価していきます。地域ごとの地形特性を踏まえた分析を進めるとともに、AI解析モデルの精度向上に取り組み、より実用的な災害対策の実現に貢献してまいります。

 

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