パシフィックコンサルタンツ長沼ダムプロジェクト
たびたび氾濫を起こし“あばれ川”の異名を持つ宮城県北部の一級河川迫(はさま)川。1971年には合わせて10ダム1遊水池を設ける総合的な治水計画が立案され、その中心となったのが自然湖沼を利用した長沼ダムだ。しかし周囲は低湿地で軟弱地盤が連続する。これほどの軟弱地盤にダムが築かれた例はなかった。40年に及ぶこの難工事の計画から完成までを支援した国土基盤事業本部 流域構造部 再生可能エネルギー推進・開発室 室長の小森谷哲夫、同部 ダム・砂防室の平塚毅彦、同本部 地盤技術部 舩山淳、東北国土基盤事業部 岡谷研の4人が取り組みを振り返った。
<モンゴル>エネルギー・トランジション促進に係る情報収集・確認調査
2015年に採択されたパリ協定の批准国であるモンゴルでは、温室効果ガス(GHG)の排出削減に向けた長期目標を掲げ、その達成を目指している。しかし国内に豊富な石炭資源を持つだけに石炭依存からの脱却は難しい。日本にどのような支援が可能なのか、その指針を策定するためのJICAの情報収集・確認調査プロジェクトが2024年にスタートした。パシフィックコンサルタンツはプロジェクトを担うJVのプライムとなり、交通基盤事業本部 設備エンジニアリング部 国際設備室の小林裕典がプロジェクトマネージャーを補佐する立場で現地で活動した。
エコグリーン とちぎプロジェクト
産業廃棄物の不法投棄発覚を機に栃木県が取り組みを開始した最終処分場建設は、住民の反対運動もあって容易に進まなかった。しかし県内に最終処分場を持たないままでは不法投棄の根絶も難しい。パシフィックコンサルタンツは環境に配慮した完全クローズド型で、かつ民間の事業運営ノウハウを最大限引き出す独自のPFI方式での取り組みを提案、最終処分場「エコグリーン とちぎ」の誕生に貢献した。支援に当たった資源循環マネジメント部地域環境事業推進室の技術課長である時田敏彦と同室の室長、杉浦航が取り組みを振り返った。
<パキスタン パンジャブ州>地方道路網の維持管理能力向上プロジェクト
パキスタン最大の人口を擁するパンジャブ州は州内に総延長約8万7,700kmの地方道が走ると言われている。しかし技術者の人材・技術不足、データベースシステムの未整備などから維持管理は大きな課題を抱えていた。パンジャブ州政府の要請に基づきJICAの技術協力プロジェクトが実施され、パシフィックコンサルタンツが3社で構成するJVのプライム企業として参加。グローバルカンパニー国際インフラ開発部の武藤信太郎が副業務主任として着任した。
「100年に1度」の渋谷大改造を担う <後編>
渋谷駅周辺の大規模再開発が「100年に一度」と言われるのは、超高層ビルが何棟も建設されるからではない。官民が協力しながら、駅を動かし、川の流れを変え、新たな歩行者ネットワークをつくりあげることを通じて、まったく新しいまちに生まれ変わらせるという試みだからだ。しかもそれを巨大ターミナルの機能を維持しつつ実現するという点でも例がない。パシフィックコンサルタンツはこのプロジェクトに初期の検討段階から関わり、現在も支え続けている。その中心で長く携わった小脇立二、久保寿、丹羽隆泰、並木嘉男、紙野輝恵の5人に話を聞いた。
「100年に1度」の渋谷大改造を担う <前編>
北陸新幹線敦賀延伸プロジェクト Vol.3~梯川橋梁~
梯(かけはし)川は小松市鈴ヶ岳に発して山間を北に下り、平野部に入ってから向きを西に変えて日本海に注ぐ一級河川だ。下流は周辺に小松市街地が広がることもあり貴重なオープンスペースとして、散策や釣り、ボートなど市民の憩いの場として利用されている。北陸新幹線が小松駅の手前で梯川を渡るのもこの下流部分で、川幅が広く河道に橋脚を建てなければならない。治水はもとより、市民に親しまれる河川環境の整備、保全を進める河川管理者との合意が何よりも重要になった。
SAGAサンライズパーク+栄光橋+佐賀市文化会館西側広場の一体整備プロジェクト
長く国体の愛称で親しまれてきた国民体育大会が、「国民スポーツ大会」へと名称を変えて開かれる第1回大会が2024年10月佐賀で開催された。“体育からスポーツへ”の転換は会場整備の考え方にも貫かれ、会場は大会終了後も長く地域に親しまれる日常的なスポーツと健康の拠点として活用されることが求められた。そのためには、県と市、建築と土木、ハードとソフトといった区別にとらわれることのない未来を見据えたトータルデザインが欠かせない。SAGAサンライズパークと文化会館西側広場の外構設計を担当した大阪社会イノベーション事業部都市デザイン室の上出竜司と栄光橋の設計をメインで担当した九州交通基盤事業部構造室の野中秀一が取り組みを振り返った。
三条市包括的民間委託プロジェクト
インフラ維持管理に関する包括的民間委託を積極的に展開している三条市は2024年春から第Ⅲ期(期間5カ年)の業務委託をスタートさせた。これに先立つ第Ⅱ期事業(2019.4-2024.3)からパシフィックコンサルタンツは包括委託を受ける共同企業体(ジョイントベンチャー:JV)の一員として参加している。建設コンサルタントとしては全国初だ。地域の建設会社などが主体となるJVに参加したのはなぜなのか、どのような成果が生まれているのか。取り組みを中心で担う交通基盤事業本部 インフラマネジメント部 空間創造室 室長の稲光信隆と同室の中井諒、松岡昌宏の3人が語る。
北陸新幹線敦賀延伸プロジェクト Vol.2~深山トンネル~
終点敦賀駅手前にある深山トンネルは、長さは800m足らず。新北陸トンネル(約19.8km)や加賀トンネル(約5.5㎞)に比べればはるかに短い。しかし、このトンネルが北陸新幹線延伸工事のうえで、環境への配慮が特に必要なトンネルの1つとなった。深山はラムサール条約登録地である中池見湿地の水の供給源の1つであり、地下水への影響を最小限に抑えることが求められたからだ。
北陸新幹線敦賀延伸プロジェクト Vol.1~大蔵余座橋梁~
時速260kmで疾走する新幹線の橋脚に求められる精度は極めて高い。許されるたわみはわずか数ミリだ。土木を志した技術者が「いつか新幹線を手がけたい」と思うのはそのためだ。しかもこの大蔵余座橋梁は、軟弱地盤の上に最高脚高約30mで建てることが求められた。新幹線建設の長い歴史の中でも希に見る困難なプロジェクトだった。
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