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都市最適化マネジメント®とは?

データ×デジタル技術の融合で都市課題の最適解を導く取り組み

パシフィックコンサルタンツでは、インフラを効果的に活用・管理し、都市が抱える複雑な問題を解決することを目的に、「都市最適化マネジメント®」という考え方に基づいた取り組みを進めています。従来の課題解決方法との違いや期待される成果について、デジタルサービス事業本部 DX事業推進部長の時田知典に話を聞きました。

INDEX

都市の全体最適をはかるデジタルソリューション

「誰もが快適に暮らしていける社会を創る」と言葉にするのはたやすいですが、実践するのは非常に難しい取り組みです。それは多種多様な背景を持つ人々の現在と未来の暮らしを考える必要があるからです。長年、まちづくりやインフラ整備などの社会基盤に携わる私たちパシフィックコンサルタンツはその難しさを常に痛感しています。そこで、私たちは社会基盤の課題解決に向けた取り組みとしてデジタルソリューションに着目し、「都市最適化マネジメント®」という考え方に基づいた活動を進めています。

都市特有の多様な課題に向き合う新しい解決策が必要

私たちの社会には、道路・鉄道・空港・河川・建物などさまざまなインフラが存在しています。これらのインフラの整備や管理などは多数の事業者に分かれており、各事業者の予算に応じて個別に行われています。
しかし、都市は一つであり、都市に集中する混雑やインフラの老朽化、災害への対応などの課題は個別ではなく都市全体で対応することが必要だと考えます。
そこで、「都市全体の動きをデータからとらえる」ことによって、モニタリングを行い、インフラを賢く使うことが求められています。
例えば、時差出勤など利用者の行動変容によるピーク時混雑の緩和などの需要コントロールや、イベント時の臨時増発による弾力的な輸送力の運用などの供給コントロールなどが挙げられます。
日本の鉄道や道路の密度は世界トップクラスです。これらのインフラを賢く使うことで、都市本来の力を引き出すことができます。

建設コンサルタントの知識・経験とデジタル技術が融合

都市最適化マネジメント®とは、総合建設コンサルタントとしての知識・経験とデジタル技術を融合した社会課題解決のための考え方とその活動です。デジタル技術の活用により、課題の要因を把握するための調査・分析を高度化・効率化するとともに、効果的かつ最適な課題解決策の立案(EBPM:Evidence based policy making)が可能となります。さらには、解決策実施にあたっての意思決定や多様なステークホルダーとの合意形成等を支援することが可能となり、円滑な課題解決を図ることができます。

個々の経験に頼る部分最適から根拠を基にした全体最適へ

都市の課題は数多くあり、しかもそれぞれが互いに影響を及ぼし合っています。それだけに、個別の対策の検討だけではなく、複数の課題を同時に解決するための全体最適を目指した対策が必要であると考えます。
デジタル技術を駆使して人流データや消費・エネルギーデータなどから都市活動を捉え、これらのデータを連携することで、全体最適となる解決策の立案が可能となります。

都市最適化マネジメント®が描く未来

都市最適化マネジメント®により、都市の多面性に対応できるデジタルサービスを創出し、幅広い領域で適用されることを目指しています。それにより、人口減少・少子高齢化社会において、人的資源・資金等が限定的である中においても、都市に暮らす人のさまざまな不安や不満、不便が解消され、安心して快適に暮らせる理想的な社会が実現することを目的に活動しています。

  • 環境にやさしい社会
  • 渋滞・混雑・不便のない社会
  • 災害の影響を避けられる社会
  • 地域に活力がある社会 など

都市最適化マネジメント®を実現させるもの

パシフィックコンサルタンツならではのデジタルソリューション

私たちの使命は社会課題の解決であり、多くの人々に影響を与えうるサービス業だと考えています。なぜなら、私たちが提供する技術やサービスに応じて、社会基盤の効果発現を左右することにつながり、皆さんの暮らしに大きな影響を及ぼすことになりかねないからです。私たちは都市を創り、社会を創り、生活を守る役割を担っています。その役割を果たすために生み出された考え方が、都市最適化マネジメント®です。この考え方・取り組みは、知識・技術・経験などを含めた社会インフラサービス企業としての当社の強みを活かすことで実現しています。

都市最適化マネジメント®を実現する当社の3つの強み

■はばひろい力:日本全国を網羅する総合力

当社を支えるのは、各分野で活躍する専門特化した技術者集団です。まちづくりやインフラ整備などの社会基盤の広範にわたる専門性を活かし、首都圏だけでなく地方都市も含めた日本全国を網羅し、課題解決に貢献しています。

■まとめる力:相乗効果を生み出す調整力

都市や社会の課題を解決するためには、全体を俯瞰しつつも細部における緻密な目配りが必要となります。事業を推進する際は、企画・立案し、各所との議論・合意形成を含めた調整力を発揮します。

■さきがける力:技術革新を生み出す挑戦力

当社は、建設コンサルタント業界でいち早くデジタルサービスの事業本部を立ち上げました。創立70年以上の長い年月をかけて蓄積されたまちづくりやインフラ整備などの社会基盤の知識・技術を活かし、課題解決に必要な革新性の土壌として、人流データサービス「全国うごき統計」のような新たなデジタルサービスを生み出しています。

デジタルとインフラコンサルティングの融合

現在、まちづくりやインフラ整備の事業ではビッグデータの活用が着目されていますが、データはあくまで手段であり活用方法と効果を先に見据えて事業をマジメントすることが肝心です。
例えば、まちづくり、強靭化、環境保全、地域活性化、安心・安全など効果を発揮する出口を見定め、その出口のために何のデータをどのように活用するのか、との視点を持ちつつ出口からバックキャストしたのち、人流やインフラ等の多様なデータを組み合わせていくことが必要です。
このように、データとマネジメントを組み合わせることで、根拠に基づいたまちづくりやインフラ整備を実現でき、求めた効果を効率的に発現させることができます。

都市最適化マネジメント®から生み出されたサービス

当社の強みを活かし、最初に生み出されたのが「全国うごき統計」です。「全国うごき統計」は、ソフトバンクの基地局から得られる位置情報のビッグデータと当社が培ってきた人流解析や交通工学の技術を融合して生まれた人流統計データサービスです。携帯端末の位置情報をもとに交通手段を含めた全国1.2億人の移動に関する人流統計データが利用できます。

> 全国うごき統計

※「全国うごき統計」の名称、ロゴはソフトバンクの商標です。
※「全国うごき統計」は、パシフィックコンサルタンツとソフトバンクの共創により開発し、ソフトバンクが提供する人流統計データサービスです。

データで拓く共創の未来

デジタル活用による課題解決を目指す当社にとって、データは重要です。当社は、共創パートナーよりご提供いただくデータと独自の技術・知見との融合により、さまざまなデジタルソリューションを開発してきました。これからもよりよい社会の実現のため、都市の課題解決に取り組んでいく共創パートナーにふさわしい社会インフラサービス企業として、国民が平和に安心して暮らせる社会の実現に貢献していきます。

時田 知典

TOKIDA Tomonori

デジタルサービス事業本部
DX事業推進部 部長

2002年入社。入社以来、大阪本社にて総合交通計画策定や道路新規事業化等のコンサルティングに従事。「全国幹線旅客純流動調査」、「パーソントリップ調査」、さらには、「全国うごき統計」といった、人流データを活用した将来需要予測・効果検証を行うなど、プロジェクト実施にあたっての意思決定を支援。2023.10よりデジタルサービス事業本部DX事業推進部長として、都市最適化を目指し事業を遂行中。技術士(建設部門)

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