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神奈川県立観音崎公園「BEACH⇔PARK LIVING」グッドデザイン賞受賞

~神奈川県立観音崎公園たたら浜園地におけるPark-PFI事業~

2022年、10月に嬉しいニュースがありました。この度、当社初のPark-PFI事業(民間側での参画)である「BEACH⇔PARK LIVING(ビーチパークリビング/バーベキュー・カフェ機能)」が、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2022年度グッドデザイン賞」を受賞しました。

受賞した「BEACH⇔PARK LIVING」について

本事業は、神奈川県立公園初となるPark-PFI事業(※1)です。
神奈川県立観音崎公園にある「たたら浜園地」において、民間事業者による収益施設の整備運営により、公園への集客と地域の活性化を目的としています。
当社は、「BEACH⇔PARK LIVING共同事業体」の代表法人として、事業投資とともに、統括管理、設計・監理、10年以上の管理運営に関与する等、全面的な事業参画を行っています。

デザインに関する当社なりのアプローチ

神奈川県立観音崎公園は、年間87万人(H30年度実績)が訪れる人気の公園ですが、公園全体の回遊性が乏しく、利用者の滞在時間が2時間程度に留まるという状況にありました。また、利用者の中には、海をゆっくり眺めるスペースが欲しいという要望がありました。以上より、本事業においては、公園全体の周遊性の向上と滞在時間延長に向けた新たな利用の拠点として公園西側の 「たたら浜園地」の活用と、海をゆっくりと眺められる開放的な空間の創出が求められたため、既存地形を活かし、魅力的な空間を創出するとともに、エリア全体の活性化を目的としたデザインを行いました。

デザインのポイント

1.既存の海と公園の環境を最大限活かしたリビングのような空間を創出することで公園の新たな価値の創出

  • 既存地形を最大限活かし、既存樹木や既存施設を最大限に活用し、整備を最小限にすることで環境に配慮した空間を創出しました。
  • 既存地形を最大限活かし、全てのサイトから海への眺望を確保した施設配置や、デッキや屋根のある半屋外空間を設けることで、安心感のあるリビングのような新しい魅力的な空間を創出しました。
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Landscape

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Ocean View

2.利用率が少なかった空間にて民設民営のPark-PFI制度を用い、公園の魅力向上に資する事業

  • 公園来園者のターゲット層拡大に向け、多様な利用者に楽しんでもらえる事を目的とし、誰でも立寄れるカフェ・バーを 中心に、特徴ある4種類17カ所のBBQサイトを設置しました。
  • こたつやキャンプ等の冬季の利活用を可能とする施設整備により、1年中楽しめるBBQ施設を創出しました。
  • ビーチ利用者が気軽に利用できるカフェ・バーの設置や、トイレ改修によるシャワー施設等により、ビーチと公園を行き来できる環境を整備し、ビーチと公園の一体的な利用を可能としました。
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Cafe・Bar
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Camp
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Ocean View

3.地域との連携により、エリア全体の活性化と安全性の向上に貢献

  • 地域住民が誰でも利用できる開かれた空間を目指し、中央に芝生広場を配置し、様々なイベントやカルチャーの受け⽫を創出しました。
  • 公園のロケーションを活かし、サイトをステージとしたフラダンス教室の発表会やヨガやSUPの体験等、地域団体と連携した企画・活動の実施により、地域の賑わい創出や観音崎エリアでの楽しみを創出しています。
  • 観音崎エリア関係者との清掃活動や移動手段の確保等、一丸となった取組を実施しています。
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Outdoor Field-Yoga(First sunrise)
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Party Site-BBQ-Hula

これらの取り組みにより、オープンから2年が経過し、R3年度はコロナ禍であったものの、観音崎公園(たたら浜園地)周辺への誘客に貢献につながり、エリアの回遊性の向上や魅力アップに寄与したことがグッドデザイン賞受賞という評価につながりました。

グッドデザイン賞審査委員評価コメント

豊富な観光資源に近接しつつも回遊性が低いため遊休地のようになっていたスペースに着目して、自然環境に対する負荷をかけずに集客性が高くイベント性もある施設を効果的に点在させたデザインが優れている。

デッキとタープがもたらす居心地の良い空間は、新型コロナウィルスによる感染症の拡大による行動制限がある中でも一定の集客実績をもたらし、今後、家族程度のサイズのグループによる屋外活動の一つの選択肢として、他の地域でも広く受け入れられる可能性がある。

BEACH⇔PARK LIVINGでの楽しみ方

「BEACH⇔PARK LIVING」では年間を通して様々な楽しみ方を用意しています。足を運んで頂き、美しい海を眺めながら特別なBBQを是非お楽しみください。

(※1)Park-PFI事業とは
平成29 年の都市公園法改正により新たに設けられた、飲食・売店等の公園利用者の利便の向上に資する民間事業者の収益施設(公募対象公園施設)の設置と、当該施設から生ずる収益を活用してその周辺の園路、広場等の公園利用者が利用できる公共的施設(特定公園施設)の整備・改修等を一体的に行う者を、公募により選定する「公募設置管理制度」です。

プロジェクト概要

名称:BEACH⇔PARK LIVING(神奈川県立観音崎公園におけるPark-PFI事業)

実施・運営主体:BEACH⇔PARK LIVING共同事業体
※構成企業:パシフィックコンサルタンツ株式会社(代表企業)、横浜緑地株式会社、株式会社OUTDOOR LIVING​

計画地:神奈川県横須賀市鴨居4丁目

敷地面積:8,350㎡
(公募対象公園施設 5,610㎡、特定公園施設 2,720㎡、利便増進施設 20㎡)

運営期間:2020年9月19日~2031年3月31日

福田 雅世

Fukuda Masayo

パシフィックコンサルタンツ株式会社
サービスプロバイダー事業部 地域事業プロデュース室

公園・都市施設の計画・設計等ランドスケープデザイン業務に従事後、近年では、公園施設等の管理運営を含む業務開発、案件形成、マネジメント活動(市場開発)に従事。
「BEACH⇔PARK LIVING」では事業の企画段階から設計・施工、工事監理と携わり、一貫したマネジメントを実施した。

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