マーケティングDXと新たなビッグデータの利活用　～観光分野における実践～

昨今、激しい環境変化のなかでも競争優位を確保するため、デジタル技術を活用した業務プロセスの変革（DX=Digital Transformation）の流れが加速しており、マーケティング分野においても、網羅的かつ多角的なニーズ把握やターゲットへの的確なアプローチのための“マーケティングDX”が求められています。
このようななか、当社ではマーケティングDXに資する新たなソリューションとして「全国うごき統計」や「検索×人流ビッグデータ」の開発を行い、来訪客（顕在顧客）と非来訪客（潜在顧客）の双方の分析を可能にしました。
本稿では、これらのビッグデータについてその概要や特長をご紹介するとともに、観光分野における実践例として、国土交通省「令和4年度 ビッグデータを活用した旅客流動分析 実証実験事業」における北海道・層雲峡温泉でのマーケティングDXの取り組みをご紹介します。

論旨

１．マーケティングDXの重要性
２．マーケティングDXに資する新たなビッグデータの開発
　（１）人流統計データ「全国うごき統計」～来訪客を多角的に分析～
　（２）国内初の「検索×人流ビッグデータ」～非来訪客をダイレクトに分析～
３．ビッグデータの利活用によるマーケティングDXの実践～観光分野を例に～
　（１）「北の山岳リゾート」における課題
　（２）ビッグデータ分析により得られた成果
　（３）その後の展開
４．今後の展開

執筆者紹介

北海道社会イノベーション事業部　交通政策室　チーフコンサルタント　船岡　直樹

専門分野：
　交通工学、観光マーケティング、ビッグデータ、自動運転

代表的な従事業務：
・ビッグデータを活用した旅客流動分析　実証実験事業（2022, 国土交通省 総合政策局）
・ウポポイ来訪者の属性等に関する調査分析業務（2021, 国土交通省 北海道局）
・「倶知安町における人工知能（AI）による配車機能を備えたバスの運行に関する実証事業」業務（2019, 国土交通省 北海道運輸局）

主な論文・対外活動等：
・外国人ビッグデータを用いた新たな交通分析手法 ―北海道後志地域の外国人移動実態から―（2019, 北海道開発技術研究発表会）
・倶知安地域におけるインバウンド観光二次交通に対するAI運行バスの実証実験（2020, 機関誌『交通工学』）
・ビッグデータによる高規格幹線道路のストック効果分析－携帯位置情報データを用いた広域周遊観光への影響把握－（2017, 北海道開発技術研究発表会）
・企業間取引情報を用いた道路のストック効果分析について（2016, 北海道開発技術研究発表会）
・北海道ITS推進フォーラム 幹事（2015～2022）

DX 事業推進部　DX 事業推進室 　係長（観光DX 担当）　今井　健吾

専門分野：
　観光マーケティング、交通政策、ビッグデータ、プロダクトマネジメント

代表的な従事業務：
・ビッグデータを活用した旅客流動分析　実証実験事業（2022, 国土交通省 総合政策局）
・ウポポイ来訪者の属性等に関する調査分析業務（2021, 国土交通省 北海道局）
・西新宿エリアにおける人流調査業務（2022, 民間事業者）

◆クリックするとPDFが開きます

前の記事

CROSS OVER　- 我々はどこへ向かうのか -

次の記事

社会変化に応じた環境アセスメントの深度化と派生する新たなサービスの展開