アルティメットがつなぐそのまちの人と施設

社会イノベーション事業本部　サービスプロバイダー事業部　地域経営推進室　古川琴華

スポーツから広がる地域経営に貢献中！

私のいる部署は、さまざまな自治体の官民連携事業に事業者側として参画する部署です。主に地元の企業を中心としたJV（ジョイントベンチャー／企業共同体）やSPC（特別目的会社）の窓口として、自治体と企業をつなぎ、まちづくりを進める役割です。
　今は、千葉県睦沢町にあるスポーツ公園を拠点としたまちづくりに携わっています。具体的には、これまでは子供の遊び場としての利用が多かった多目的広場に防球ネットを設置し、サッカーなどの球技が行えるスポーツ施設として整備することで、町外からの学生の合宿を誘致したり、会議室をスタジオに改修してダンススクールなど町民向け講座を開催したり、人を呼び込み活気を生みだすための運営改善を提案しています。そこで掲げている目標は「地域経営」です。単にスポーツ施設を運営するだけでなく、10年、20年先も地域全体が活性化していることが大切だと考えています。そのため、自分としては得意なスポーツを通じて、施設と地域をつなぐような新しい事業を生むことを目指しています。
　難しいのは、公共施設でありながら、民間事業として利益を追求しなければならないところです。これまで公共施設の運営には税金が使われてきましたが、人口減という現実を見据えると、税金に頼らず収入を得る仕組みが必要です。そして、プロジェクトに携わって2年目からは、広告などの費用対効果も意識するように促され、頭を悩ませる日々です。
　会社にとっては新しい事業領域ということもあり、上司も「どんどんアイデアを出して！」と若手の意見を汲み上げてくれるので、やりがいを感じています！

競技者だからこそできる改善提案を

　そういった中で役立っているのが、大学時代に出合って以来、夢中になっている「アルティメット」です。フライングディスクを使うチームスポーツで、アメリカンフットボールとバスケットボールを足して2で割ったような競技と言われています。実は、今も休日には国内のトップチームで現役選手として活動していて、日本代表選手として世界で戦い金メダルを取った経験もあります。
　スポーツ施設の運営では、現役選手としての経験が活かせていますし、トレーニング施設など利用者目線での改善提案ができます。私自身が町民向け体験会で講師を務めることもあります。参加した方と楽しく一緒に体を動かしたことで、普段の業務で施設に伺ったときも話しかけていただけるようにもなりました。その会話には、まちの利用者としての貴重な要望やご意見もあり、行政サービスの向上に役立てています。
　逆に、仕事での経験が趣味に活かされていることもあります。今の仕事は、さまざまな提案を伝える仕事です。忙しい同僚や上司、クライアントに、いかに簡潔にわかりやすく伝えるかを、毎日考えています。チームスポーツであるアルティメットでも、コミュニケーションは重要。若い選手が多いチームにあって、私も上の立場になってきたので、意見を伝えるときは仕事上で得た経験との相乗効果を実感しています。

仕事の両立がもたらす相乗効果

　私は転職でパシフィックコンサルタンツに入社したのですが、一緒にアルティメットをしていた同級生が当社に新卒入社したのがきっかけでした。もともと大学時代から「まちづくり」に興味があったのですが、それがどんな仕事なのか、具体的なイメージは持っていませんでした。その友人の話や採用担当の方から「道の駅を運営している」「震災復興事業を担当している」など実際の事業の話を伺い、自分のやりたいことが少しずつ具体的にイメージできたように思います。
　入社してみると、思った通りやりがいのある仕事が待っていました。スポーツ施設や公園の運営、改善提案など、毎日の業務のひとつひとつが「まちづくり」という大きな夢につながっていると実感しています。
　加えて、現役選手として競技を続けることを、会社も応援してくれています。選手だからといって特別扱いはされませんが、仕事が終われば快く練習に送り出してくれて、年に1回、休暇を取って海外遠征にも行かせてもらっています。私もトレーニングの時間を確保するために、作業効率を考えながら仕事をするので、自分自身が社会人として鍛えられている感覚があります。
　平日は仕事とトレーニング、土日はチーム練習で、自由になる時間はほとんどないのですが、好きなスポーツと仕事がつながり、充実した楽しい毎日を過ごしています。

「面白人に聞く!01　古川琴華篇」

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