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2019.07.29

世界選手権2018報告

交通政策部 栗栖嵩

2018年9月2日(日)、イタリアで開催されたUCIグランフォンド世界選手権(UCI GRANFONDO WORLD CHAMPIONSHIPS)に、パシフィックコンサルタンツ交通政策部に所属する栗栖が2年連続で出場しました。
年代別(19~34歳クラス)で193位/260人、総合(全年代)で816位/1836人。結果は振るわなかったものの、昨年に続き世界選手権での完走を果たしました!
サラリーマンでありながら、趣味の自転車で日本の代表としてアマチュア世界選手権に参戦してきた栗栖のレポートをご紹介します。

2年連続で世界選手権を完走した栗栖

世界選手権の概要と開催地ヴァレーゼ

◆UCIグランフォンド世界選手権の概要
この大会は、アマチュアのロードレーサーの世界選手権ともいえる大会です。
この大会に出場するためには、世界各国で開催される公認予選大会で上位25%以内の成績を収める必要があり、日本の場合は毎年7月に開催されるニセコクラシックが該当します。
アマチュア大会とはいえ世界選手権ですので、日本の代表として出場し、優勝者にはプロと同様にアルカンシェル=世界一を示す名誉ある虹色ジャージが与えられます。
◆開催地ヴァレーゼはイタリア北部の石造りが美しい街
開催地のヴァレーゼ(VARESE)は、イタリア北部ロンバルディア州にある石造りが美しい街です。
ミラノから北に約50kmのところにあるこの街は、人口約8万人の地方都市。スイスの国境まで直線距離でわずか6km。

ヴァレーゼの街の様子

◆レースは4つの峠を含む130kmのコースが舞台
今大会は、ヴァレーゼを起点にルガノ湖、マッジョーレ湖、ヴァレーゼ湖を沿うように設定された、景観の美しい130kmのコースが舞台でした。標高500~700mの峠が4箇所(17km、38km、72km、87km)あり、常にアップダウンを繰り返す、難易度の高いものでした。

レース前日

◆自転車は専用の袋に詰めて飛行機に乗せていきます
よく質問されるのが、自転車はどうやって運ぶのか、ということなのですが、専用の袋(輪行袋)に詰めて、大型手荷物としてスーツケースなどと同じように預けます(少しだけ追加料金が発生することもあります)。
◆香港発ミラノ行きのフライトが遅れ、あわや出場できないピンチも
今回、成田空港を出発し香港を経由してミラノへ向かう飛行機を利用しました。スムーズに行けば、翌日の早朝にミラノへ到着するはずでしたが、待っていたのは12時間のフライト遅れでした。
原因はおそらく機材トラブル。香港全般にいえることですが、外は暑く建物の中は寒い。空港も例に漏れず、寒さに苦しめられあまり寝ることもできず、前途多難な出発となりました。

ミラノの空港から電車を乗り継ぎ、ヴァレーゼに着いたのは23:00前。クタクタです

レース当日

レーススタート直前。各国のナショナルジャージを着た選手がズラリ

◆レース前日に受付。準備万端・・・のはずが
レースに出場するには、前日までに受付をしておく必要があります。その際、ジャージや自転車に付けるゼッケンや記録用のチップ、そしてバイクチェックを受けます。
その後、ホテルで準備をして午後5時。ちょっと一休み・・・のはずが。
なんと、目を覚ましたのは朝の4時。あと3時間半後にはレース開始です。夕食を食べずに寝てしまったのですが、これが最大のミスでした。
 今回のレースでは3,000~4,000kcalものエネルギーを消耗します。したがってその分だけ、①前日までにあらかじめ蓄えておき、②当日朝食でさらに上乗せして、③レース中に随時補給する必要があるのです。
◆すさまじい会場の熱気の中、レースがスタート(AM7:30)
前日は雨模様でしたが、レース当日は天候が回復していました。やや寂しい雰囲気だった街は、一転して人々でごった返しています。
気温も時間が経つにつれどんどん暖かくなっていき、イタリア語の小気味の良い実況が、大いに会場を盛り立てます。会場の雰囲気が最高潮に達したAM7:30を皮切りに、年代別にレーススタートの号砲が鳴らされていきます。
栗栖は一番はじめにスタートする19~34歳クラスで、世界各国260人の集団のほぼ最後方からのスタートとなりました。

序盤の峠を走る栗栖

◆序盤のクラッシュと本場テクニカルなコースに苦戦
レースは、スタート直後から50km/hにも達する速度で市街地を駆け抜けていきました。誰もが集団の前方に上がろうと必死なのです。なぜなら、スタート地点からわずか12km地点に今レースで最も標高の高い800mほどの峠が待ち構えており、その峠に突入する前に集団前方にいなければ確実に先頭争いから脱落してしまうためです。
しかし、その道中に待っていたのはクラッシュでした。真っ暗なトンネルで響き渡る甲高いブレーキ音と、バイクが破損するクラッシュ音。自分自身、巻き込まれはしなかったものの、ストップを余儀なくされ、そのまま第2集団で最初の峠を迎えることになりました。
峠自体は無難に通過したものの、次なる問題は本場イタリアの細く曲がりくねり、しかも路面の悪い下り坂。ガードレールはもちろんなく、ハンドリングを誤れば崖下一直線です。苦手な下りで何度もスリップしながら順位を落としてしまい、そのために余計に体力を消耗してしまう状況でした。
レースでは何度も小さな街を通過していくのですが、とにかく道が狭くて直角コーナーが連続します。日本では考えられない、テクニカルなコーナーが連続します。
余談ですが、こんなときに役立つのがハンドルに取り付けるサイクルコンピュータです。あらかじめコース情報を入力しておけば、地図上のコースをナビさせることができ、いつどんなコーナーに突入するかをあらかじめ把握できるのです。しかし、レース本番中に全然違うコースを走らされることもあり、ある意味イタリアらしくもあります。
◆80km地点でエネルギー切れ、28分遅れの193位/260人でゴール(AM11:00)
異変を感じ始めたのは80km過ぎ。体がズドンと重くなり、力を込めると脚がつってしまう状況に。
水と食料を多めに摂取しリカバリを試みましたが、83km地点にある最後の峠で一気にガス欠状態になってしまいました。やはり、エネルギーが不足してしまったのです。その後は第2集団からも脱落してしまいました。
残りの50kmは沿道の応援に力をもらいながらも、とても辛いものでした。後ろからいくつもの集団に追い抜かされ、ついて行こうとしてもすぐに脚が攣ってしまうのです。昨年ほどではないにしろ、その再現となってしまいました。
集団走行がなんとかできる程度に回復したのは、すでにレース終盤でした。ゴール手前の見覚えのある坂が見えたときには悔しい気持ちとやっと終わったか、という安堵のような気持ちでした。
最後は同じ集団にいたカザフスタンの選手とスプリントを掛け合ってゴール!先頭から28分遅れの193位/260人でフィニッシュとなりました。

レース後

ゴール会場は大変な賑わい!

昨年に続き、2度目のグランフォンド世界選手権でしたが、今年も悔しい結果に終わってしまいました。この経験を糧に、仕事でもプライベートでも更なる成長につなげたいと思います。
イタリアでの大会参加にあたり多くの方々の応援とご協力を頂きました。本当にありがとうございました!

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