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2018.04.09

あなたの知らないあの場所の『ヒミツ』トンネル編

トンネルに関する豆知識やマニアックなポイントをご紹介

トンネルは総合土木 様々な技術が結集している

山が多く、平野部も過密化している日本にとって、欠かすことができないトンネルは、現在、国内におよそ1万箇所以上。トンネルに関する技術では、日本は世界でも抜きん出た水準と言われています。ここでは、その中でも、日本のトンネル技術をリードしてきたパシフィックコンサルタンツの取り組みと、トンネルに関する雑学を紹介します。

パシフィックコンサルタンツ初代社長の故・平山復二郎氏の著作で昭和18年に出版された「トンネル」。戦前の土木名著の一つであり、近年も現代口語訳がなされ、トンネル技術者に読まれ続けています。このように弊社とトンネルの関わりはとても古いものです。弊社は以前から大規模なトンネル、技術的に困難なトンネルに挑み続けており、日本長大トンネルベスト10のほとんどに携わっています。 例えば、長さ10㎞を超える関越トンネル。特殊な換気システムの考案、危険な立坑の掘削、大量の湧水との戦いなど、数々の難題を克服して完成させています。

また大阪府の箕面トンネルは、トンネル内に合分流車線を確保するため、都市部において掘削断面積が300㎡以上という前代未聞のトンネル計画でした。弊社は、多様な技術力を駆使し、未聞のプロジェクトを成し遂げています。 一方、これから注目される維持管理分野でもトンネル走行型計測システムの開発などに先進的に取り組んでいます。

トンネルづくりは、日々理論や技術が進歩している上に「経験工学」とも言われ、長い経験によって蓄積された技術力や総合力もモノを言う領域です。公共事業におけるトンネル分野シェアナンバー1のパシフィックコンサルタンツは、これからも高い技術力、総合力、培われた経験を生かして、トンネルづくりに貢献していきます。

トンネルの掘り方は、3つもある

1) 山岳部の比較的硬い岩盤の中にトンネルを造る工法。現在は、掘った面にコンクリートを吹き付けて固め、一定間隔で鉄の棒(ロックボルト)を差し込み空間を安定させるNATM(ナトム)が主流です。

2) 「シールドマシン」という鋼製の枠を、土を掘りながら押し込み、その中で「セグメント」と呼ばれるコンクリートや鋼製のトンネル部品を組み立て、土を押さえながら少しずつ前に進む工法です。

3) 英語で「カット・アンド・カバー」と呼ばれていることからも分かるように、地面をいったん掘り返してから、その下でトンネルを造り、その後に出来たトンネルを埋め戻す工法です。

トンネルでは形状も重要

地盤には重さがあり、その圧力でトンネルは崩れようとします。土をアーチ状に掘ると、上からの圧力に対して土は互いに押し合い、自らを支え合います。トンネル設計ではこの「アーチ効果」という、地盤自身の支え合う力を使うため、深いトンネルは丸い形状をしているのです。

トンネルは経験工学、現場主義

地盤は自然のものです。荷重も材料も分からない暗中模索の状態でトンネル設計をするため、机上の理論や計算だけでなく経験に基づく判断が重要となります。したがってトンネル工学は「経験工学」分野とも言われています。また観察・計測のうえ設計を見直す「情報化施工」も行われています。

トンネルと神事

ダムには水量を調整するため、取水放流設備や洪水吐きと呼ばれる設備があります。特に洪水吐きには様々な形式があり、ダム穴など特徴的な景観を作っています。洪水吐きの最下流には放流エネルギーを軽減するための減勢工が設置されています。

神域への入り口に飾る「化粧木」 / 安産祈願のお守り「貫通石」

神域への入り口に飾る「化粧木」

トンネル入口上部に反り返った木を飾る化粧木。神域への入口を表象する「鳥居」や、神様の「依代」や「鰹木」など由来は諸説あります。トンネル内は未踏の空間であり、現在でも神域と捉えられているのです。

安産祈願のお守り「貫通石」

トンネル貫通時の石は「貫通石」と呼ばれ、安産のお守りとされてきました。近年では「意思(石)を貫き難関突破」と合格祈願のお守りにも。山で働く人々は山に畏敬の念を抱き、神事は大切に守られています。

様々なトンネル設備やトンネルの用途

上下水道や電力などのライフライン、水害から住民を守る地下河川や地下調整池、共同溝などトンネルと言ってもさまざま。広く地下空間まで含めれば、地下街や発電所をはじめ、駐車場や貯蔵庫、美術館などトンネルは人々の安全で快適な生活に欠かせないものなのです。

トンネルは人や車、電車が通るだけの空洞ではなく、利用者が快適で安全に使えるよう様々な工夫がされています。自動車用のトンネルには、照明や排気ガスの換気設備、万が一の事故や火災発生時のための通報・警報・消火・避難誘導などの設備も設けられています。

REPORT

交通基盤事業本部インフラエンジニアリング部 都市トンネル室長 / 木谷 努
学生時代からトンネルに関わり、トンネル設計ならパシフィックコンサルタンツが日本一と聞き入社。以来20年、トンネルの計画、設計、研究

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