事業紹介これから求められる医療行政サービス

1.自治体を取巻く医療情勢

超高齢社会が到来する中、医療に対するニーズは高まる一方です。一方、全国的な医療従事者不足や財政の逼迫、総務省による「公立病院改革プラン」の実施等を背景に、公立病院数は顕著な減少傾向にあります(下図)。また、救急医療等のいわゆる不採算事業を担う社会医療法人も増加傾向にあり、公立病院に代わる役割(指定管理者など)を担う例が増えています。
地域医療の崩壊等も叫ばれる一方、地方分権が推進されている中で、自治体は、「公立病院の運営」という切り口以外に、なすべき医療行政について本腰を入れて考え、実践する時が来ているのではないでしょうか。

公立病院数の推移
  • 指定管理者適用事例も計上されているため、「自治体直営」の数は、さらに少ない。

2.なすべき医療行政-医療という「社会保障サービス」への行政の関わり方から考える

なすべき医療行政を見定めるには、その多くが民間(医療法人等)により提供されている「医療サービス」という“極めて重要な社会保障サービス”に対して、行政たる自治体がどのように関わっていくべきかといった「根幹」に立ち戻り、検討する必要があると考えます。
医療分野で自治体に求められることは何か。弊社は、「地域住民(市であれば市民)が、必要な医療サービスを安定的に享受できる環境を確保し続けること」と考えます。
厳しい経営環境におかれた民間病院等の自助努力では、できることに限りがあります。また、各病院は機能分化・連携が求められていますが、その意識・足並みは千差万別です。
地域医療を維持するためには、自治体が地域住民を支えている医療サービスの情報を把握し続け、公共サービスとして必要な施策をタイムリーに立案・実行していくシステムを形づくり、実践することが急務と考えます。
このことは、一見当たり前のようですが、実は、実践されている例はほとんど見受けられません。

3.【ご提案】エビデンスに基づく施策立案・実行システム

Step1:地域住民の目線で考える

上記のシステムは、「エビデンスに基づく施策立案・実行システム」であることが求められると考えます。貴重な税金を投じる対応を遅滞なく行うためには、地域住民にご理解いただける「エビデンスに基づく合理的な理由」の提示が重要となるからです。
このシステムの基礎となるデータは、一般に医療分野で蓄積・活用されている「個別病院が提出するデータ」では難しい面があります。わが国の受診は「フリーアクセス制」であるため、地域住民が利用している医療サービス(=地域住民を支える医療サービス)は、例えば地域内の医療機関により提供されているとは限らないからです。医療機関の側から見ても、患者に色はなく、特に地域住民であることにこだわる必要はありません。よって、まずは「地域のどこで生活する住民が、どこの医療機関により支えられているのか」を常に“見える化”し、税金を投じた施策で支援すべき可能性のある医療機関を把握することから始める必要があります。
医療に関する各種の議論が、専ら供給側である「医療機関」の目線から捉えたデータに基づきなされる中、需要側である「地域住民」の目線からデータの範囲などを捉え直すことは、自治体ならではの、非常に重要な「アプローチの転換」であると考えます。(下図:イメージ例)

イメージ例
イメージ例

Step2:データ管理システムの構築

どの医療機関が地域住民を支えているのかを明確にしたら、次は、その「支えられ方」や「支え手の状況」の具体をデータに盛り込み継続的に収集・管理・分析し、「地域住民が、必要な医療サービスを安定的に享受できる環境」が確保できているか否かの経常的な確認・検証が可能となるシステムの構築が必要となります。

低炭素社会/環境未来都市/循環型社会

その結果、医療環境の変化が地域住民に与える影響の検証(例:科目閉鎖、閉院の影響)や、そもそも地域医療に“ほころび”が生じる懸念が見受けられた時点で、データを活用したエビデンスに基づく合理的な理由を示すことで住民の理解を得た上で、必要な施策の立案・実行を遅滞なく行う「攻めの施策立案・実行」が可能となります。このことは、一方で「保険者」としての顔を持つ上でも、医療費等の適正化を意識した取組みにも寄与するものと考えます。
また、行政の支援等に不満を持つ民間病院が少なくない中、民間病院と自治体が従前以上に密接な協働関係を構築し、「二人三脚で地域医療を確保していく」望ましい姿を具現化できるものと考えます。

Step3:総合的な視点でマネジメント

地域医療に関する問題について、サービスを提供する医療者側のみの工夫で対応することは困難な状況にあります。そもそも医療サービスの消費は、需要と供給、それをつなぐ媒体、そしてそれらを支える財政により成り立ちます。また、供給側においても、医療のみならず、保健や介護との一体的な連携が加速度的に求められています。
弊社は、医療分野のみならず、介護・福祉/まちづくり/交通/都市計画/建築/情報技術など、関連領域においても専門のコンサルティングスタッフを有する総合コンサルタントとしての「総合力」を活かし、自治体様においても、領域を横断した、「総合的な視点基づく施策の立案・実行による、地域医療のマネジメント」が可能となるシステムづくりをご提案します。(下記概念図)

概念図
概念図

総合建設コンサルタントのパイオニアとして国内外で豊富な実績を持つ弊社が、
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